いよいよ、明けの明星さんとの再会の季節がやってきました。
10月26日。
金星さんが、太陽様より少し早く東の空へ昇るようになったことを知りました。
「あっ、いよいよ明けの明星さんになられたんですね。」
そう思った時、なんだか嬉しくて、心の中がぱっと明るくなりました。
まだ実際にお姿を拝見できるようになるには、もう少し時間がかかるかもしれません。
それでも、宵の明星さんとのお別れから、今度は明けの明星さんとの再会へ。
また新しい時間が始まるのだと思うと、胸が弾みます。
実は、その前日の10月25日。
我が家のお庭で、嬉しい発見がありました。
一輪のバラさんが、三分咲きになっていたのです。

そして、そのそばには大きく膨らんだ三つの蕾さん。

さらに、1階のベランダのそばでは、なんとユリさんまで大きな蕾を育てていらっしゃいました。

皆様、いつの間にこんなに大きくなられたのでしょう。
翌26日の朝。
バラさんの蕾も、雨粒をまといながら、しっかりと育っていらっしゃいました。

そして、同じ朝7時5分。
昨日まで三分咲きだったバラさんが、見事に満開になっていらっしゃいました。
不思議なことに、そのバラさんは東南の方角を向いて咲いていらっしゃるのです。
我が家のバラさんは、どちらかというと南側を向いて咲くことが多いように思います。
ところが今回は、明けの明星さんが昇っていらっしゃる東南の空の方へ。

「まあ、バラさん。金星さんにお会いしたかったの?」
そんなふうに思うと、嬉しくなりました。
26日の朝は小雨模様でした。
早起きをして外へ出てみましたが、残念ながら金星さんのお姿を見ることはできませんでした。
それでも、雨の中で美しく咲くバラさん。
そのそばで、これから咲こうとしている三つの大きな蕾さん。
そして、しっかりと育っているユリさん。
皆様が、静かな朝のお庭で迎えてくださいました。
まるで、お花様たちと一緒に、明けの明星さんの新しい出発をお祝いしているような気持ちになりました。
本当に幸せな朝でした。
思えば、宵の明星さんとのお別れが近づいた頃は、少し寂しい気持ちになっていました。
金星さんがお下がりになる時間は、だんだん早くなっていきました。
夕方、太陽様とほとんど同じ頃にお下がりになるようになり、やがて太陽様よりも早くお下がりになるようになりました。
それでも私は、見晴らし台へご挨拶に伺いました。
時には一人で。
時にはチョコちゃんと一緒に。
金星さんがお下がりになる時間に間に合うよう、夕方4時頃には見晴らし台へ向かうこともありました。
もうお姿を見つけることが難しくなっていても、
「金星さん、今日もありがとうございます。」
そんな気持ちで空を見上げていました。
宵の明星さんとのお別れ。
なんとなく、心の中で一つの時間が終わってしまったような、気が抜けたような感じもありました。
でも、金星さんがいなくなったわけではありません。
今度は朝の空へ。
そのことを改めて知って、私の気持ちも少しずつ朝へ向かい始めました。
以前、明けの明星さんにお会いしていた頃のことを思い出しました。
その頃の私は、毎日の家事や母の介護など、日常の仕事がなかなか終わらず、夜遅くまで動いていることがありました。
そんなある朝、金星さんに心の中で相談しました。
「金星さん、どうしたらもう少し上手に一日を過ごせるでしょうか。」
すると、金星さんがふわっと笑って、
「やると決まっていること、できることだけを、午前中に済ませるようにしたらいいんじゃないですか。」
そんなふうにおっしゃってくださったように感じました。
午前中に仕事を済ませれば、夕方にはゆったりした時間が持てる。
なるほど、と思いました。
それから私は、午前中にできるだけ仕事を終わらせるように努力しました。
でも、これがなかなか難しいのです。
家事もあります。
母の介護もあります。
その中で、自分のしたいことまで午前中に終わらせるのは、とても高いハードルでした。
一生懸命頑張っても、お昼を過ぎてしまうことがほとんどです。
そうすると、午後にはもう疲れてしまいます。
そこで、また金星さんにお話ししました。
「でもね、金星さん。なかなかハードルが高いんです。」
すると今度は、
「だったら、夕方のチョコちゃんのお散歩を、5時までに帰ってくるようにしたらいいんじゃないですか。」
そんなふうに、新しい考えが浮かんできました。
これなら、できるかもしれません。
私は、夕方のお散歩を少し早く終えることを心がけるようになりました。
そして、こちらのほうは、なかなか良かったのです。
全部を午前中に終わらせようとするのではなく、一日の中で一つ、時間の区切りをつくる。
それだけでも、夕方から夜への過ごし方が変わっていきました。
明けの明星さんとの思い出には、愉快なお話もあります。
ある朝、私は金星さんに、
「金星さん、すごいですね。いつも何でもきちんとされているように思います。」
そんなふうにお話ししました。
すると、金星さんが笑って、
「私だって、爆食いしますよ。」
とおっしゃるのです。
「えっ、何を爆食いするんですか?」
すると、
「どら焼きです。」
もう、おかしくて。
思わず笑ってしまいました。
どら焼きは、私たちも大好きです。
でも、私にとっては少し特別なお菓子。
何か嬉しいことがあった時に、
「今日はどら焼きをいただきましょうか。」
そんなふうに楽しむ、ちょっと贅沢なお菓子なのです。
それを、金星さんが「爆食いしますよ」だなんて。
なんて愉快なのでしょう。
あんなに美しく、きちんと空を巡っていらっしゃる金星さんにも、こんなお茶目な一面があるのかしら。
そんなことを想像して、また嬉しくなりました。
明けの明星さんとの時間には、こんな楽しい思い出もあったのです。
そして今年。
宵の明星さんとのお別れが近づき、金星さんがお下がりになる時間に合わせて、見晴らし台へ早めに出かけるようになりました。
すると、いつの間にかチョコちゃんのお散歩も早くなっていたのです。
以前は、夕方5時までに帰ることがなかなか難しかったのに。
今では、金星さんにお会いするために早く出かけ、自然と5時前にはお散歩を終えるようになっていました。
ある日、ふと思いました。
「あら、私、できるようになっている。」
そして、金星さんにお話ししました。
「金星さん、以前、明けの明星さんの時に、チョコちゃんのお散歩を早く終えるようにしたらいいですよって教えてくださいましたよね。
あの頃はなかなかできなかったのに、今は自然にできるようになりました。
金星さんのおかげさまですね。」
なんだか、とても嬉しくなりました。
できない、難しいと思っていたことも、時間がたつうちに、いつの間にかできるようになることがあるのですね。
そして、それは無理をして頑張った結果というよりも、大好きな金星さんにお会いしたいという気持ちから、自然に変わっていったことでした。
こんなこともあるのだなぁと思いました。
宵の明星さんと、明けの明星さん。
同じ金星さんなのに、お会いする時間が変わると、私の一日の暮らしまで変わっていきます。
宵の明星さんの頃は、夕方が楽しみでした。
一日の仕事を終えて、チョコちゃんとお散歩に出かけ、夕焼け様や月様と一緒に金星さんを探す時間。
そして今度は、明けの明星さん。
朝の静かな空。
太陽様がお昇りになる前の、まだ一日が始まったばかりの時間。
そこに金星さんがいらっしゃると思うだけで、なんだか朝の時間がたっぷりと広がっていくような気持ちになります。
そして、その新しい季節の始まりに。
我が家のお庭では、一輪のバラさんが東南を向いて満開になりました。
そばには三つの大きな蕾さん。
そして、ユリさんも大きな蕾を育てていらっしゃいます。
さらに東側のお庭では、黄色いツワブキさんたちも元気に咲いていらっしゃいました。

まるで皆様が、
「これからまた、明けの明星さんとの楽しい時間が始まりますよ。」
「私たちも応援していますよ。」
そんなふうに、エールを送ってくださっているようです。
自然様の不思議な巡り合わせに、心が温かくなりました。
明けの明星さん。
おかえりなさい。
まだ実際にお姿を拝見できるのは、少し先になるかもしれません。
それでも、これからは毎朝、東の空を見上げてご挨拶したいと思います。
また新しい季節を、一緒に過ごせることを楽しみにしています。
明けの明星さん、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
そして、バラさん、蕾さん、ユリさん、ツワブキさん。
新しい朝を一緒に迎えてくださって、本当にありがとうございます。
すべてに感謝いたします。
I’m truly grateful.