そろそろ今年も、宵の明星さんとのお別れの頃が近づいてきました。
9月になってからも、金星さんは夕方の空で大きく、美しく輝いていらっしゃいました。
最近は雨の日が多く、夕方になっても雲様に覆われて、なかなかお会いできない日も続いています。
それでも時々、雲様の合間からお顔を出してくださることがあります。
そんな時は、
「あっ、金星さん。」
それだけで、本当に嬉しくなります。
少しずつ、お姿が見える高さも低くなってきました。
もうすぐ宵の明星さんとはしばらくお別れして、今度は明けの明星さんとして再会する時を待つことになります。
私が金星さんと出会ったのは、2年ほど前のことでした。
その頃の私は、毎日のようにウォーキングをしていました。
春頃には早朝に歩いていましたが、だんだん夏が近づくにつれて、朝早くても暑くなり、夕方に歩くようになりました。
そして秋になった頃。
夕闇が迫る空の高いところに、誰が見てもわかるほど明るく輝くお星様がいらっしゃいました。
それが、金星さんでした。
「これが、あの宵の明星なんだ。」
そうわかった時、本当に嬉しかったことを覚えています。

2024年12月4日。金星さんを「一番星」として初めて意識し始めた頃。月様とご一緒でした。
宵の明星という言葉は、小さい頃から知っていました。
夜空に美しく輝く、とても明るいお星様。
なぜかわかりませんが、ずっと憧れていました。
たぶん、見たことがなかったからなのだと思います。
名前は知っている。
特別なお星様だということも知っている。
でも、どこを見たら会えるのかわからない。
私にとって宵の明星さんは、そんな少し遠い存在でした。
その憧れていた金星さんが、いつものウォーキングの空に輝いていらしたのです。
それから私は、夕方になると必ず空を見上げるようになりました。
ウォーキングの時。
チョコちゃんとのお散歩の時。
一日の家事が終わりかけた頃、2階のベランダへお洗濯物を取り込みに出た時。
少し遅い時間には、西の空へ沈もうとしている金星さんに、ぎりぎりお会いできることもありました。
「あら、金星さんって、夕方ならどこでもお会いできるんだな。」
そんなふうに思っていました。

2026年7月14日。お洗濯物を取り込もうと2階のベランダへ出ると、西の空に金星さん。
一日の中でも、夕方は何かと忙しい時間です。
今日はこんな日だった。
今日はこれができた。
これはできなかった。
そんなことを考えながら空を見上げて、金星さんにお会いすると、それだけで十分幸せでした。
そして不思議なことに、金星さんにお会いしたあとの時間は、少し豊かな夜へと続いていくように感じられました。
こうして、私の「金星さん追いかけ」が始まりました。
当時の私は、星空のことをほとんど知りませんでした。
ですから、金星さんには、これからもずっと夕方になればお会いできるのだと思っていました。
「明けの明星」という言葉も知っていましたから、朝に見える時もあるのだろう、くらいには思っていました。
けれども、秋が過ぎ、冬が過ぎ、年が変わり、春が近づく頃。
宵の明星さんとのお別れの時がやってきました。
私にとって初めて知った星座さんであるオリオン座さんとも、春になるとお別れです。
そして春には、うしかい座のアークトゥルスさん、おとめ座のスピカさん、しし座のデネボラさんがつくる春の大三角や、北斗七星を見るようになりました。
春のお星様も大好きです。
けれど、春の空には「おぼろ月夜」という言葉が似合うような、柔らかな霞がかかる日も多く、冬のような凛とした星空がなかなか見えません。
オリオン座さん。
そして金星さん。
冬の空で親しくなった皆様とのお別れが、なんとなく寂しかったことを覚えています。
そして、いよいよ明けの明星さんとの再会がありました。

2025年7月20日 午前3時56分。早起きをして再会した明けの明星さん。月様もご一緒でした。
やがて明けの明星さんともお別れし、今度はまた宵の明星さんとの再会。
私は最初、毎回同じなのだと思っていました。
でも、全く違いました。
季節とともに、お星様は変わっていきます。
昨日と同じように、今日も輝いている。
だから明日も、同じところに輝いていてほしい。
そう思っていても、数日、数週間と過ぎていくうちに、少しずつ空は変わっていきます。
そして気がつくと、またお別れの時がやってきます。
天体のことをほとんど知らなかった私にとって、その一つ一つが驚きであり、毎日の喜びでもありました。
今年も、特別な金星さんでした。
月様と一緒にいらっしゃる夜も、たくさんありました。
たった5分間だけ打ち上げられた江の島の花火を、月様と金星さんと一緒に見ることができた夜。

2026年8月18日 19時45分。たった5分間の江ノ島の花火。その最後の大きな花火を、月様と金星さんとご一緒に。
人工衛星が空を通っていくのを、一緒に見た夜。
夏の華やかな時間を、今年は金星さんと一緒に過ごすことができました。
そして、雲様に覆われた夕方。
雨の混じる夕方。
「今日はお会いできないかな。」
そう思っていると、ほんの一瞬だけ雲様の間から輝いてくださることもありました。
そんな日は、いつにも増して嬉しくなりました。
そして今年、私は一つ、とても嬉しいことを思うようになりました。
宵の明星さんとしてお会いできなくなっても、金星さんがいなくなってしまうわけではない。
少し待てば、今度は明けの明星さんとしてお会いできる。
だから、
「よつ葉さんも、少し早起きしてくださいね。
太陽様より少し早く起きてくださったら、今度は明けの明星としてお会いしましょうね。」
そんなふうに金星さんがおっしゃってくださっているような気がします。
そしてもう一つ。
昼間、太陽様の明るい光の中でお姿が見えなくても、いなくなっているわけではありません。
私がお花様たちのお世話をしている時も。
鳥さんたちのお世話をしている時も。
チョコちゃんと歩いている時も。
通りのお掃除をしている時も。
一生懸命に一日を過ごしている時も。
金星さんは、見えない空を通っていらっしゃる。
「ちゃんと見えていますよ。」
そんなふうに言ってくださっているように思うと、なんだかほっとします。
お会いできる時だけではない。
見えない時にも、そこにいらっしゃる。
そう思えるようになってから、お別れの寂しさが少し和らぎました。
そうですね。
今度は明けの明星さんを目指して、私も少しずつ早起きをしましょう。
そして、また必ずお会いしたいと思います。

2026年9月17日。少しずつお別れの時が近づいてきた見晴らし台での金星さん。右には富士山、夕焼け雲様がいらっしゃる、チョコちゃんとお散歩中です。
今年も素晴らしい宵の明星さん。
本当にありがとうございました。
月様と一緒に。
花火と一緒に。
人工衛星と一緒に。
そして、何でもないいつもの夕方にも。
たくさんの時間を一緒に過ごすことができて、本当に嬉しかったです。
これは「さようなら」ではありませんね。
また、お会いしましょう。
すべてに感謝いたします。
I’m truly grateful.