門清掃を朝にしようと思いながら、季節が移り変わるにつれて、最近は夕方近くにすることが多くなっていました。
それも毎日ではなく、三日から四日に一度ほどのペースです。
ふと気がついたのです。
何かが違う。
夕方になると、「やらなければ」という気持ちでラッキー君と一緒に外へ出ます。
もちろん、それにはそれなりの理由がありました。
日中はいろいろなことがあります。
家の中には朝も昼も夜も仕事があります。
気がつけば夕方になり、
「今出なければ今日はできない」
そう思って、日没前の一時間ほどを使ってお掃除をするようになっていました。
そして、
「今日はできなかった」
「ごめんね、ラッキー君」
そんな日も増えていました。
お天気が良くて風もなく、絶好の日だったのに出られなかった日もあります。
そんなことを繰り返しているうちに、あれほど楽しかったラッキー君との時間が、いつの間にか「ごめんね」の時間になっていたのです。
それで改めて思いました。
やっぱり朝に戻そう。
そう決心して、今日は朝一番に外へ出ました。
朝に出ようと思っても、実は少し勇気が必要でした。
昨日、一昨日はその勇気が少し足りなくて、お昼近くになってしまいました。
でも今日は違いました。
朝九時頃には、ちゃんとラッキー君を連れて外へ出ることができたのです。

すると、見える景色がまるで違いました。
早朝のお散歩の方たちはもう帰られた後。
どのお宅も洗濯や掃除など、それぞれの朝の時間を過ごしているようで、通りは静かです。
その代わり、宅配便の車が次々と通ります。
運転手さんたちは車を降りるたびに、
「おはようございます」
と声をかけてくださいます。
十数分おきに配達の車が通り、皆さんが町を支えてくださっていることを改めて感じました。
朝のお掃除は時間の流れも違います。
夕方ですと日没が近づき、
「今日はここまで」
と時間切れになります。
でも朝は違います。
今日は一時間から二時間くらい。
そんなふうに心の中で決めて始められます。
木陰もあります。
風も吹いてきます。
風向きに合わせてちりとりや袋を向けながら、ゆっくり掃いていきます。
気がつけば、今日は通り全体を掃除していました。
今まであまり手をつけていなかった先の方まで、マテバシイのお花がたくさん落ちていたので、ついでにきれいにしてしまいました。
二時間弱。
それほど長い時間ではありません。
それなのに達成感はとても大きなものでした。
何よりも嬉しかったのは、朝の爽やかな空気の中でできたことです。
始めた頃の気持ちを思い出しました。
もともとは、自分の家の前をきれいにしようと思ったことが始まりでした。
朝からたくさんの方が通るので、気持ちよく過ごしていただきたい。
そんな思いでした。
そして自分の家の前を掃除しているうちに、
「ではこちらも」
「ここも少しだけ」
そんなふうに少しずつ範囲が広がり、気がつけば通り全体を掃除するようになっていました。
昨年の秋は毎日のように続けていました。
風の強い翌朝には二時間半かけて掃除したこともあります。
それでも不思議とストレスはありませんでした。
誰かに言われたわけでもなく、自然に体が動いていたのです。
そういえば、お掃除を始めた頃にかわいいピンクの花柄の手袋を買いました。
お花屋さんのお兄さんが届けてくださった日、そこにはラッキー君と手袋が並んでいました。
その光景がなんだか嬉しくて、今でも覚えています。
それから毎日、ピンクの手袋をはめてラッキー君と一緒に外へ出ました。
だからでしょうか。
この箒には自然と「ラッキー君」という名前がつきました。
本当にたくさんのラッキーを運んできてくれたからです。
今回改めて思いました。
やっぱり朝がいい。
朝のうちに終えてしまえば、その後は自分の時間が始まります。
プレッシャーもありません。
ミミズさんも元気に暮らしていました。
パンジーさんも朝の光の中で、まだまだ可愛らしく咲いていました。
まるで、
「ラッキー君、今日もお願いね」
そう声をかけてくれているようです。

するとラッキー君が、
「わかってるよ。行ってくるね。でも無理はしないよ」
そんな爽やかな声で返事をしてくれたような気がしました。
感謝いたします。
I’m truly grateful.