昨日の夕方、太陽様が沈んでしばらくしてから、チョコちゃんと散歩に出かけました。
外へ出て空を見上げると、目の前には月様と金星さん。
もうふっくらと膨らんだ三日月様です。
そのすぐそばには、明るく輝く金星さんが寄り添っていました。
「四葉さん、月様にお会いしたかったんですよね。」
そんな声が聞こえてくるようでした。
月様は、
「体調は大丈夫ですか。」
そう優しく問いかけてくださいます。
私は、
「帯状疱疹で少し体調を崩しましたが、もう治りかけています。」
そう心の中でお答えしました。
すると、
「無理をしないでくださいね。」
そんな優しい言葉をいただいたような気がしました。
毎日、曇り空や雨の日が続いていました。
美しい雲を眺める日々も素敵でしたが、この日は突然のサプライズ。
こんなにも美しい月様と金星さんにお会いできるとは思ってもいませんでした。
嬉しくなって、富士山の見晴らし台まで歩きました。
富士山はすでに薄暗くなっていましたが、美しいシルエットを空に映し、その上には淡いピンク色の雲が静かに残っています。
月様。
金星さん。
富士山。
三つがそろった景色は、本当に見事でした。
そこへ一台の車が静かに到着しました。
降りてこられたのは、とても上品な雰囲気のご夫妻です。
すぐにスマートフォンを取り出されました。
やはり、この景色をご覧になるために来られたのでしょう。

私も、
「チョコちゃん、少し待っていてね。」
そう声をかけながらリードを欄干につなぎ、何度もシャッターを切りました。
富士山と月様、そして金星さん。
三つを一枚に収めるには空があまりにも広く、なかなか難しかったのですが、何枚かは思い描いていた構図で撮ることができました。
「美しい空ですね。」
そうお声をかけると、
「本当ですね。」
ご夫妻も笑顔で応えてくださいました。

その夜は、東京から妹が鎌倉の家へ戻ってきていました。
「こんばんは。」
インターホンを鳴らすと、
「今着いたところ。」
そう言って迎えてくれました。
妹は、その日葉山へ行ってきたそうです。
私たちが子どもの頃に暮らしていた町です。
隣には、地域の方々が「三井ハウス」と呼んでいた大きなお屋敷がありました。
その後、その場所には、お城のように美しいホテルが建ちました。
私の記憶では、帝国ホテルやホテルオークラにも負けないほど立派なホテルでした。
そして時代は流れ、ホテルは姿を消し、マンションが建ち、そのマンションも今は取り壊されているそうです。
妹は当時の写真を探したそうですが、インターネットにもほとんど残っていなかったとのことでした。
六十年という歳月の長さを、改めて感じました。
建物は変わり、人も入れ替わり、景色も少しずつ姿を変えていきます。
それでも、私の心の中には、あの頃の夏の風景が今も鮮やかに残っています。
家へ帰る道でも、月様と金星さんは、ずっと一緒についてきてくださいました。

そして夜八時半頃。
ベランダへ出て空を見上げると、思わず息をのみました。
西の空にはアークトゥルスさん。
その下にはスピカさん。
月様と金星さんも、まだ優しく輝いています。
南の空には、さそり座のアンタレスさん。
その上には、へびつかい座のお星様。
少し東へ目を向けると、こと座のベガさん。
きっとその先には、はくちょう座のデネブさん、わし座のアルタイルさんも輝いていたことでしょう。
春の大三角と、夏の星たち。
一つの空に、季節が静かに交わる夜でした。
思わず、
「ブラボー!」
そう声を上げてしまいました。

長い梅雨のあと、突然戻ってきた夏の星空。
「夏なんですね。」
そんな言葉が自然に心の中から湧いてきました。
この日は、一日中リボンちゃんやリボンママにも会うことができました。
鳥たちとの穏やかな時間。
夕暮れの富士山。
月様と金星さん。
そして満天の星空。
たくさんの優しさに包まれた、忘れられない一日になりました。
すべてに感謝いたします。

I’m truly grateful.