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真夏の日のひなちゃんのママへの甘え

それは、
夏の暑さがかなり厳しくなっていた頃のお話です。

ひなちゃんは、
まだギャーさんとママと一緒にいることが多く、
毎日一生懸命、
鳴く練習をしていました。

ある日、
家の前の電線で、
ひなちゃんが猛烈に鳴いていました。

パパは左側、
ママは右側。

二羽とも、
そっとひなちゃんを見守っています。

でも、
その日の鳴き方は、
いつもと少し違いました。

何かを訴えているような、
何かダダをこねているような、
そんな鳴き方だったのです。

かなり長い時間、
ひなちゃんは鳴き続けていました。

私は見ていて、

「パパとママ、大変だなぁ。」

「ひなちゃん、何か要求してるんだね。」

そんなふうに思い始めていました。

すると突然、
ママがパッと電線を飛び立ちました。

向かったのは、
家の前のお宅の、
大きな木がたくさんある場所でした。

夏の日差しを受けて、
葉っぱがさらさらと涼しそうに揺れている、
そんな木陰です。

そして、
すぐに戻って来ました。

なんと、
口には私が置いていたクッキーをくわえていたのです。

ひなママは、
そのクッキーを、
ひなちゃんの口にそっと渡しました。

すると、
ひなちゃんの機嫌は、
本当に一瞬で直ったのです。

さっきまであんなに鳴いていたのに、
急に嬉しそうになって、
パンッとどこかへ飛んで行ってしまいました。

もちろん、
パパとママも、
すぐにその後を追いかけて行きました。

私はその様子を見ながら、

「ああ、ひなママって、本当に上手なお母さんなんだなぁ。」

と思いました。

ギャーさんは、
その間ずっと、
ひなちゃんのそばで、
じっと前を向いていました。

時々、
ひなちゃんの方をちらっと見ています。

でも、
どうしていいか少し迷っているようでもあり、
父親としての威厳を保ちながら、
少し距離を取っているようにも見えました。

「そろそろ、その鳴き方は違うんじゃないかなぁ。」

そんなことを、
静かに思っているような顔でした。

一方ママは、
何度もひなちゃんを見ています。

そして、
「これはただの鳴く練習じゃない。」
と気づいたのでしょう。

パッと飛び立った、
その判断が正しかったのです。

人間でも、
赤ちゃんの泣き方によって、

  • お腹が空いたのか
  • 甘えたいのか
  • 暑いのか
  • 眠いのか

いろいろ見分けますよね。

ひなママも、
きっと同じだったのだと思います。

本当に、
上手なお母さんでした。

そしてギャーさんも、
黙ってそれを見守っていました。

「やっぱりママってすごいなぁ。」

そんなふうに、
思っていたのかもしれません。

それは、
2018年の猛暑の夏の、
ほんの小さな出来事でした。

あの頃は、
私たち人間にとっても、
毎日が暑さとの戦いでした。

だからこそ、
野生の動物たちも、
その暑さを直接受けながら、
生きていたのだと思います。

でも自然の中には、
木陰があり、
風の通る場所があり、
時間によって涼しくなる場所があります。

野生の動物たちは、
そういう場所を知っているからこそ、
生きていけるのでしょうね。

私はあの夏、
そんな動物たちの姿から、
たくさんのことを学びながら過ごしていた気がします。

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