星を見るようになってから、
私の中でひとつ、小さな変化がありました。
それは、
空のことを、誰かに話してみたくなったことです。
夕方、愛犬チョコちゃんとの散歩の途中で、
ふと空を見上げると、明るく輝く星が見えます。
「あそこに見えるの、木星なんですよ」
そんなふうに、近くを歩いている方に声をかけてみたことがありました。
すると皆さん、少し驚いたように空を見上げて、
「あれがそうなんですか」と、やわらかくうなずいてくださるのです。
ほんの短いやり取りですが、
同じ空を見上げているというだけで、
どこか通じ合うものがあるように感じました。
ある日のことです。
いつもランニングをしている女性の方とすれ違いました。
その時も、同じように星の話をしてみました。
「あそこに木星が見えるんですよ」
そうお伝えすると、その方は少し驚いた様子で空を見上げて、
そしてこうおっしゃいました。
「私、いつも下ばかり見て走っていました。
少し、上を見てみますね」
その言葉が、とても心に残りました。
星は、もともと一人で静かに眺めるものだと思っていました。
けれど、その光をきっかけに、
誰かとほんの少し言葉を交わすことができる。
そんな時間が、とてもあたたかく感じられました。
気がつくと、
空を見上げる時間は、
一人のものから、少しだけ誰かとつながる時間へと変わっていました。
これもまた、
星がもたらしてくれた、
小さな変化のひとつなのだと思います。

富士山の見える場所で、ふと空を見上げると、金星と土星が並んでいました。