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あの夜、月がついてきてくれた

クォン・サンウさんとのファンミーティングで、グァムへ行ったことがあります。

その時の私は、今までとは少し違う気持ちで、その旅を見つめていました。

グァムは、第二次世界大戦の終わり頃、激戦地となった場所です。
ただのファンミーティングというだけではなく、どこか「戦地を訪れる」というような気持ちも、私の中にはありました。

私はそれまで、香港、マカオ、中国、そして韓国にしか行ったことがありませんでした。

どれも比較的近い距離です。

けれどグァムは違いました。

航路を見ると、マリアナ海溝を越えていく長い空路です。

その地図を見ただけで、私の心には大きな緊張が走っていました。

私は昔から、飛行機がとても苦手でした。

初めて仕事で香港へ行く前の日、
夜になって急に怖くなり、上司に電話をしたことがあります。

「明日の出張、キャンセルできますでしょうか」

そんな私に、上司は落ち着いた声で、

「大丈夫ですよ。いってらっしゃい」

と言ってくださいました。

それでも怖くて、
飛行機に乗る夢を何度も見ました。

頭の中がひっくり返るような感覚になりながら、
必死で飛行機に乗っている夢です。

それでも実際に香港へ行き、
無事に帰って来られた時には、本当にほっとしました。

その後、私は韓国へ一人で行くようになりました。

飛行機も、一生懸命考えて選びました。

「JALなら日本の飛行機だから安心できる」

そう思って選んだことを覚えています。

韓国に着いた時、
ホテルで会社の紹介状を見せると、

「お待ちしておりました」

と、とても丁寧に案内してくださいました。

案内されたのは高層階の静かな部屋で、
窓の外には、韓国ドラマで見ていたような景色が広がっていました。

その時私は、

「日本からの安心感が、ここまで一緒に来てくれた」

そんな気持ちになったのを覚えています。

そんな私にとって、グァムへの旅は、さらに大きな挑戦でした。

広い海の上を、長い時間飛んでいく。

それだけで、心が揺れていました。

そして、とうとう飛行機に乗りました。

しばらくして窓の外を見ると、
小さな飛行機の窓のすぐ向こうに、三日月がぴったりと寄り添うように浮かんでいました。

そのすぐそばには、小さく光る星があり、
まるで三日月が、ダイヤのイヤリングをつけているように見えました。

それは遠い夜空というより、
まるで月が私の隣に来てくれているような、不思議な光景でした。

その月は、かなり長い間、飛行機の窓のそばで静かに寄り添ってくれていました。

その時、私はふっと思いました。

「大丈夫なんだ」

その瞬間から、不思議なくらい安心したのを覚えています。

グァムに着いたのは、夜中の3時頃でした。

その後、それぞれ部屋へ案内され、
「朝までゆっくり休んでください」と言われました。

あの夜、飛行機の窓の外で光っていた月と星は、
今でも私の心の中に残っています。


あの夜、月がついてきてくれたような気がしました。

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