今朝6時ごろ、雨戸を開けました。

すると、なんと、ひなママが屋根の上をとんとんと歩いています。
そして、こちらを見ています。

「おはようございます」
そうおっしゃっているようでした。
もう鳥さんたちは、とっくに動き出しているんですね。
ひなママは楽しそうに前の屋根を歩きながら、しばらくそこにいました。

窓を開けた朝の空気がとても気持ちよくて、私もその姿をずっと眺めていました。
やがて、ひなママはさっと飛んでいきました。
そうなんだ。
日の出からもうずいぶん経っているのですから、鳥さんたちにとっては、とっくに一日が始まっているんですね。
「よつ葉さん、今日は早起きですね」
そんなふうに言われた気がしました。
すると、そのすぐあとにリボンちゃんがやってきました。

かわいいです。
今度はもっと上の屋根に乗って、屋根遊びを始めました。
「こんなこともできるのよ」
そう言っているみたいです。

そして、雨どいのあたりに何かを貯食したようでした。
リボンちゃん、こんなこともできるんだ。

でも本人は、特別なことをしているつもりなどないのでしょう。
いつもの朝の、いつものこと。
そんな慣れた仕草で、さっと屋根を歩いていきます。
その姿を見ていたら、なんだか感慨深くなりました。
私が今朝、少し早く窓を開けただけなのに、いつもとは違う世界に入ったような気がしたのです。
そして今日は、すべてが早く進みました。
7時半ごろにはお洗濯物を干し、午前中のお仕事も9時半ごろにはほとんど終わっていました。
今日は業者の方もいらっしゃったので、その対応もありました。
それでも、午後1時半ごろには洗濯物もすっかり乾いて、もう取り込むことができました。
そんな合間に、ちょっと裏庭をのぞいてみると――
ひなおじさまが水浴びをしていらっしゃいました。

少しだけおやつを差し上げると、ひなおじさまは丁寧に食べて、お水を飲んで、そして貯食へ。
それを3、4回ほど繰り返していらっしゃいました。
ひなママやリボンちゃんはどうしたのでしょう。
もう日もかなり照っています。
きっと、それぞれの自由時間なのでしょうね。
ひなおじさまは、その自由時間を使って水浴びにいらしたのかもしれません。
そして、お食事が全部済むと――
今度はまた、豪快に水浴びを始めました。

さっきも水浴びしていたのに。
今度は、本当に豪快です。
「幸せそう」
思わず、そう思いました。
一人で食べて、一人でゆっくりお水を飲んで、水浴びまで楽しんでいるひなおじさま。
こんなふうに、一人でのんびり過ごす時間もいいものだなあ、と思いました。

そういえば7月に入ったころ、私はお行水用のお水を朝10時ごろ、12時ごろ、そしてバードバスのお水も替えて、一日に4回くらい水替えをしていました。
それほど暑かったんですね。
昼間、日が照っているころに裏庭へ行くと、お行水用のお水がほとんど空になっていることもよくありました。
ちょっと器をゆすいで、またきれいなお水を入れる。
暑い日差しの中、その冷たいお水が自分の手にも心地よかったことを覚えています。
暑い日に、冷たくてきれいなお水。
最高ですよね。
水を替えている私自身も、なんだか心まで洗われたような気持ちになりました。
もちろん、それを使う鳥さんたちも、きっと気持ちよかったのでしょう。
そんな初夏から真夏にかけての日々を、ふっと思い出しました。
鳥さんたちも、もうこの暑さにずいぶん慣れてきたようです。
けれど朝6時ごろの裏庭や家の前の通りは、昨日もそうでしたが、とても賑やかです。
朝のお散歩をする方。
犬のお散歩をする方。
すれ違う人たちの明るいご挨拶や笑い声が、爽やかに響いてきます。
まだ涼やかな時間。
木漏れ日の中を歩く朝のお散歩。
なんだか、とても素敵な朝です。
そして、ひなおじさまを眺めていたときのこと。
電線のほうから、
「ギルリュリュ……」
というような声が聞こえてきました。
最初はリボンちゃんかな、と思いました。
まだ電線の上で鳴いています。
「おやつが欲しいのかな」
そう思って、ほんの少しだけ入れて、いったん家の中へ戻りました。
すると、声がしなくなりました。
やっぱり食べていたのかな。
リボンちゃんだったのかな。
そう思って、もう一度外へ出てみました。
でも――
何か、様子が違います。
リボンちゃんではありません。
リボンちゃんだったら、あの「ウガー」という声が出ますし、羽も少し茶色っぽく見えます。
違う。
みどりちゃんとも違います。
みどりちゃんの、あの楚々とした美しさとも違うのです。
そこで、ふと思いました。
「あ、ミラクルちゃんだわ」
金木犀さんの下で、何かをしています。

地面を一生懸命つついています。
ズプリームを食べているのではありません。
虫さんを探しているんですね。
お水のところへ行ったり、バードバスに乗ってみたり。

そして、とても美しいのです。
首がすっと長くて、まだ若々しい幼鳥の姿。
もしかしたら、お友達を探しているのでしょうか。
私は、ミラクルちゃんとみどりちゃんを自分なりに見分けています。
若い鳥さんで、ここを「実家」のように思って帰ってきてくれるのは、ミラクルちゃんとみどりちゃん。

この間来てくれた子は、もしかしたらミラクルちゃんだったのかな。
では今日の子が、一年年下のみどりちゃんなのかな。
そんなことも考えました。
でも、やっぱり違う。
今日の子は、私にはミラクルちゃんに見えました。
この間も、よく似た若い鳥さんが来ていました。
あのときは誰なのかわからず、そのままにしていました。
でも最近は、リボンちゃんははっきりわかります。
ひなママも。
ひなおじさまも。
だから、ギャーさんにつながる家族の中で、まだ私が「どちらかな」と考えるのは、ミラクルちゃんとみどりちゃんです。
今朝6時、いつもより少し早く雨戸を開けただけでした。
けれど、その向こうには、もう鳥さんたちの一日がありました。
屋根を歩くひなママ。
得意そうに屋根遊びをするリボンちゃん。
自由時間に水浴びを楽しむひなおじさま。
そして、静かに庭を歩く若いミラクルちゃん。
私がまだ知らなかっただけで、
毎朝ここには、こんな時間が流れていたんですね。
少し早起きをしたことで、いつもの庭の中に、もうひとつの世界を見つけたような朝でした。
